遺言・相続

当事務所の考え方

 愛する家族を喪うことは大変辛いことです。故人に想いを寄せて故人のために悲しみ、静かに時を過ごしたいのに、その方が置かれた立場によっては、押し寄せるかのごとく続く様々な手続を悲しみを堪えつつ進めていかなければなりません。死亡診断書の取得、役所への届け出、葬儀会社の手配、知人・友人・会社等関係者への連絡、通夜・告別式、仏式では四十九日の法要位まではそうした手続に忙殺されるといっても過言ではありません。その上、相続の手続や相続税申告といった手続も待ち受けております。ただでさえ、悲しい時を過ごさなければならないのに、相続の手続に翻弄されるというのは大変苦痛なことです。
 私自身も実際に経験をして感じたのは、法律の知識があり戸籍謄本取得など、普段から慣れている弁護士であってもやはり大変さを実感する手続であり、ましてやこうしたことに慣れていない一般の人にとってはなお一層のことであろうと思われたこと、また、信託銀行や他業種が行っている相続手続支援(サポート)なるサービスの料金が、驚くほど高額であることに初めて気づいたということでした。争いが生じた事案は私たち弁護士のみが取り扱うのですが、その場合の弁護士費用と比較しても全く争いのない事案の事務処理だけで何故そのような多額の費用を請求しているのか首を傾げざるを得ませんでした。故人が残してくれた貴重な遺産は今後の家族の生活のためにも大切にしなければなりません。
 そうした経験を踏まえて、争いが生じそうな相続手続はもちろんのこと、争いのない相続手続においても法律の専門家である弁護士こそが、より早く、より安く、より親身に家族の皆さんに寄り添って相続手続を支援しうることを改めて確信しました。
 生前からの準備としての遺言書作成や遺言執行、相続手続、遺産分割、遺留分減殺請求などどんな内容の手続でもご相談に応じます。まずは初回無料法律相談(30分まで無料、それを超えた場合は有料)をご利用ください。争いのある・なしに関わらず、なるべく早い段階で弁護士に委任することがより早く、より適切な結果につながります。

相続手続き支援

 一口に相続手続といっても、多種多様な手続きがあります。「相続手続支援」とはこれらの手続きを弁護士が包括的に代理して行うものです。

① 相続人の確定
 故人の戸籍謄本(除籍謄本、改正原戸籍謄本)を出生から死亡まで取得します。法定相続人の範囲によっては、相当遡って取得する必要があります。これを調査して相続人関係図を作成します。
② 相続財産の確定
  遺言書に全て記載されていれば話しは早いですが、そうでない場合も多々あります。同居の家族であれば相当部分は知っているはずですが、分からない部分については調査の必要があります。不動産名寄帳の調査や銀行に対する個別の照会などが必要となることもあります。負債(借金)がありそうな場合には調査を急ぐ必要があります。故人に帰属する財産かどうかで争いが生ずることもあります。
③ 遺言書の確認
  遺言の有無を確認し、その有効性(とりわけ自筆遺言証書の場合)や内容に漏れがないかどうか等を検討します。公正証書遺言については最寄りの公証役場で照会を掛けて存否の有無を確認し、あれば当該公証役場で謄本を入手します。
④ 相続放棄・限定承認の検討
  故人に資産よりも負債が多いような場合には、相続放棄や限定承認を検討することになります。いずれも相続を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。調査に時間がかかりそうであれば家庭裁判所に3ヶ月間の熟慮期間の延長を求めることが必要です。
⑤ 遺産分割協議
  遺言書がない場合とか、遺言書に記載のない財産がある場合などにおいては、法定相続人間で協議をする必要があります。協議がまとまれば遺産分割協議書を作成します。
⑥ 払い戻し請求等
  金融機関等に対しては、当該金融機関の書式に相続人が署名し、実印で押印した書類を提出することによって、その払い戻しを受けます。不動産については、相続登記を行う必要があります。
⑦ 準確定申告・相続税申告
  相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に故人の所得について準確定申告と納税をする必要があります。相続税申告が必要な場合には相続の開始があったことを知った翌日から10ヶ月以内に相続税申告を行い納税する必要があります。

 弁護士費用について
 通常の事案(基礎控除の金額に収まる程度の事案)であれば、原則として着手金27.5万円(税込)、報酬金27.5万円(税込)です。事案複雑な場合、手続きや案件多数の場合にはその増額につきご相談の上受任いたします。登記手続については別途の報酬となります。税務申告については必要であれば税理士をご紹介いたします。

相続に争いがある場合

 残念なことに相続をめぐって、相続人間で争いが生ずることは稀なことではありません。そうした事案で代理人を務められるのは弁護士のみです。相続手続支援から各種手続きに移行することもできますが、利害が対立している相続人の両方の代理人となることはできません。

① 遺言無効確認請求
  故人の遺言書が有効であれば、それにしたがって手続きを進めることになりますが、そもそも有効かどうかを争う場合です。
② 遺産かどうかの確定
  不動産の名義と実質的所有者が異なるといった事情がある場合、所有権確認訴訟を起こす必要があります。
③ 遺産分割調停・審判
  遺産の分割方法をめぐって協議が整わない場合には、家庭裁判所に遺産分割調停又は審判を申し立てる必要があります。
④ 遺留分減殺請求
  故人が遺言書を残したものの、法定相続人に遺留分を下回るような財産しか相続させないという内容であった場合に、侵害されている法定相続人がその回復を請求するものです。
  その他、上記に付随して様々な手続きが必要となる場合があります。

  弁護士費用について
  一般民事事件と同様です。原則として着手金は請求する額(あるいは請求される額)の6%(税別。ただし最低金額は15万円)、報酬金は得られた経済的利益の18%(税別)です。

生前からの準備

 仲のよかった兄弟・姉妹が相続をめぐって険悪な関係になってしまうこともあります。適切な内容の遺言書を早めに作っておくことは、意味のない争いを未然に防止する意味もあります。大切な家族を守るためにも是非準備してもらいたいと考えます。

① 自筆証書遺言作成支援
  自筆証書遺言とは全ての内容につき自筆で記載し、署名・押印をして作成する遺言書です。加除・訂正がある場合に、その変更の旨を付記して署名し、変更の箇所に押印しなければ変更の効力を有しないとされています。有効性を否定されないように作成を指導します。
② 公正証書遺言作成
  推定法定相続人や現有財産の確認を行った上で、ご自身の希望を条項化します。その際、遺留分の侵害をしないよう配慮が必要です。最終的には公証人と案文を作成検討します。公正証書遺言書は公証役場で保管してもらえ、また亡くなった後は検索システムによって検索できるようになっています。公正証書遺言書作成には弁護士が立会人として署名します。同時に任意後見契約を作成する事例も増えています。
③ 遺言執行者
  遺言執行者として弁護士が選任されれば相続手続きを迅速かつ適切に行うことができます。
  遺産の分割方法をめぐって協議が整わない場合には家庭裁判所に遺産分割調停又は審判を申し立てる必要があります。

  その他、必要な手続きを代理し、相談に応じます。

  弁護士費用について
  定型的な自筆証書遺言作成指導は着手金27.5万円(税込)のみで報酬金はありません。公正証書遺言作成については、原則として着手金27.5万円(税込)、報酬金27.5万円(税込)です。事案複雑あるいは財産多額の場合はその増額につきご相談の上受任いたします。遺言執行者の報酬は、相続財産額の1.65%(税込。ただし最低額15万円)です。