特定商取引法改正 電話勧誘販売における過量販売規制

 電話勧誘販売における過量販売規制が導入された。これまでは訪問販売において同様の規定があったが、これを電話勧誘販売にも拡張したものである。

第二十四条の二(新設)
申込者等は、次に掲げる契約に該当する売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又は売買契約若しくは役務提供契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。ただし、申込者等に当該契約の締結を必要とする特別の事情があつたときは、この限りでない。

一 その日常生活において通常必要とされる分量を著しく超える商品若しくは特定権利(第二条第四項第一号に掲げるものに限る。次号において同じ。)の売買契約又はその日常生活において通常必要とされる回数、期間若しくは分量を著しく超えて役務の提供を受ける役務提供契約

二 当該販売業者又は役務提供事業者が、当該売買契約若しくは役務提供契約に基づく債務を履行することにより申込者等にとつて当該売買契約に係る商品若しくは特定権利と同種の商品若しくは特定権利の分量がその日常生活において通常必要とされる分量を著しく超えることとなること若しくは当該役務提供契約に係る役務と同種の役務の提供を受ける回数若しくは期間若しくはその分量がその日常生活において通常必要とされる回数、期間若しくは分量を著しく超えることとなることを知り、又は申込者等にとつて当該売買契約に係る商品若しくは特定権利と同種の商品若しくは特定権利の分量がその日常生活において通常必要とされる分量を既に著しく超えていること若しくは当該役務提供契約に係る役務と同種の役務の提供を受ける回数若しくは期間若しくはその分量がその日常生活において通常必要とされる回数、期間若しくは分量を既に著しく超えていることを知りながら、申込みを受け、又は締結した売買契約又は役務提供契約


一号の規定は、1回の販売行為で、販売量が通常必要とされる分量を著しく超えた場合に関する規定である。一人暮らしの老人に1回に、5セットの布団を販売するような場合がこれに該当する。

二号の規定は、前段は、消費者が既に同種の商品や特定権利等を購入している場合に、当該事業者の販売行為によって、結果として、通常必要とされる分量を著しく超える場合である。事業者に結果的に過量となることの認識が必要である。半年間に浄水器3セット既に購入しているのに、さらに事業者が2セットを販売した場合で、当該事業者が既に浄水器を購入している事実を知っているような場合がこれに該当する。
 後段は、既に消費者の購入が過量となっている場合に、事業者が販売した場合である。事業者に既に過量となっていることの認識が必要である。既に消費者が1年半分の健康食品を購入していることを当該事業者が知りながら、さらに同種の健康食品を1年分販売するような場合がこれに該当する。

2016年07月21日