セブン-イレブン・オーストラリアにおける賃金過少支払問題

2015年8月、オーストラリアにおいて、セブン-イレブンのフランチャイズ加盟店経営者が、従業員を最低賃金をはるかに下回る賃金で長時間働かせていたことが暴露された。

フェアワークオンブズマンの調査によれば、時間給$10(豪ドル。以下同様)など協定賃金の半額で2倍の時間働かせていた、また調査した60%の店で最低賃金($17.29/時間)に満たない賃金で働かせていた、特に留学生(ビザの関係で週20時間までの労働に限定)を相手に低賃金で週40時間働かせ、訴えて出れば学生ビザを取り上げられるぞと脅すなどしていたことが挙げられている。

今日までに賃金未払いを行なった加盟店経営者が多額の罰金を課せられていることが報じられているほか、従業員からの未払賃金請求は総額$5000万に達するのではないかとされる。

シドニーのレビットロビンソン弁護士によれば、これはセブン-イレブン・オーストラリア本部の政策に起因するという。すなわちセブン-イレブン本部は、フランチャイジーを事実上、民族的なスクーリングで選んでおり、フランチャイジーも従業員は圧倒的に移住者が多く、主に労働法制の弱いインド亜大陸からの出身者であったという。

留学生に賃金支払わないことによって人件費を抑えることは、セブン-イレブン本部が示した当初の予想利益に人件費の過少見積もりとして最初から反映されていたという。逆に、法律通りに賃金を支払うと、フランチャイジーの生活が成り立たない。

同弁護士は、多額の借入金を返済するため経営を続けざるを得ないフランチャイジーの代理人として、ANZ銀行も本部と提携してフランチャイジーにローンを提供したこともこれを助長したとして、本部や銀行に対するクラスアクションを準備しているという。

2016年09月01日